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たとえば、「情けは人のためならず」という諺の意味。つねづね人に情けをかけ、親切にしていれば、自分のためでもあるんだよというのが今までの解釈だった。しかしこの頃は違うのだそうだ。
あんまり情けをかけると、それを当てにして怠け者になってしまう、だから情けはかけるな、ということなのだそうだ。
この解釈があながち間違っているとは言えないのが、時代性というものだ。現代は食べるに困るというような人がいなくなってしまった。どうしても助けなければならないような人がいない。居るとすれば多くはその人自身の問題。怠けて働かなかったり、選り好みをしていて仕事をしていなかったり。そんな人に情けをかけたらたしかに甘えるだけかもしれない。
言葉の意味は時代を反映する。
(沖ななも「言葉の時代性」『出版ダイジェスト』2001年11月20日号による)
情けをかける:相手のためを思って助ける
当てにする:期待する
あながち~ない:かならずしも~ない
通じる(つうじる)to be open, to lead, to communicate, to flow, to pass
幻想(げんそう)illusions
情け(なさけ)mercy, pity, sympathy
諺(ことわざ)proverb, maxim
つねづね always, usually
親切(しんせつ)kindness, gentleness
解釈(かいしゃく)explanation, interpretation
当てにする(あてにする)to count on, to expect someone
怠け者(なまけもの)
あながち
時代性(じだいせい)
現代(げんだい)
助ける(たすける)
居る(いる)
自身(じしん)
選り好み(よりごのみ)
甘える(あまえる)
反映(はんえい)
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